Tachiko20th !

　私たちは、東京オリンピックの翌年１９６５年４月に入学し、１９６８年３月に卒業しました。卒業の頃、世は学園紛争のさなかでした。
皆それぞれの道を歩み始め、いつしか年月も過ぎました。
そして１９８８年に母校で行われた「校舎惜別の会」を機に同期会がスタートし、今日に至っています。
これまで、１９８９年、１９９４年、１９９７年、そして今年２００２年２月に同期会を開催し、１９９１年からは毎年夏にミニ同期会を京王百貨店の屋上ビヤガーデンで開催しています。
運営費は同期生のカンパでまかない、案内等は辞退した方を除いた全員に送っています。

　発起人の私達がなぜ住所確認に取り組んだかを理解して頂くために、「校舎惜別の会」の日の様子を少し詳しくお話ししましょう。
　金曜日の夕刊を見ていてたまたま見た、母校の「校舎惜別の会(1988.5.29) 」開催の記事、あの校舎が取り壊されるのか、という感傷が足を運ばせたのでしょう。
誰かに連絡してから来たわけでもなく、受付で会費2000円を取られてびっくり（９歳年上の従兄弟が受付にいたのにもビックリ）したあと、高校生の頃を思い出しながら校舎の中をウロウロ。誰かいないかな、と人の名札に目を配っていたのは、言うまでもありません。でも、誰にも出会いません。同期会が盛んな？学年は教室を会合場所として手配してありました。僕らの学年の部屋は？当然ありません。
　一通り校舎を巡っても誰にも会わず、校庭を散策して噴水に戻ったところ、見たことのあるような顔が何人かと思いはじめたら「アッ、○○クンッ! 」と呼ばれました。職場でクンづけされることはありません。この一声で一気に20年前に時間が戻ってしまいました。△△クンもテレビと同じ顔で現れました。天気予報を見ながら、同姓同名の奴がいるもんだなあと思っていたら、紛れもない本人でした。数学が出来た男の話をすると、それまで何となく近くにいたスポーツ刈りの男が「それはボクですよ。」と言ってメガネを取りました。シャイだなあ、それまで黙っているなんて。まぎれもない□□君の顔でした。女性方も皆、昔と変わらない人ばかりでした。
　小雨を避けて、ワインや樽酒をいただきながら事務室の前で小一時間、さらに空いている教室に入って机を囲んで小一時間、ファイヤーストームの火を囲んで歌を歌い（小学生の女の子が、熱中している母親の様子に圧倒されて、キョトンとしていたのが印象的でした）、８時頃食事にでかけ、９時を過ぎて解散しました。
　お互い皆、卒業以来20年間、会ったことのない人たちでした。なのに、いや、だからこそなのでしょう、素直な気持ちで語り合う事ができました。実に新鮮な体験でした。そして、もっと多くの人達に会ってみたいと思い始めたのです。
☆　同窓会の事務局に同期生の住所を教えていただこうと伺った日は、あいにく資料が印刷屋さんに預けられていて手元にないとのこと。後日資料を送ってくださる、ということで帰ったら、実は私の住所が行方不明のままで、連絡が頂けなかった、なんてドジもありました。
☆　多少の準備をしてから△△君と会い、どうしようか？と相談しました。結論は、「やってみよう、成立しなかったら、費用は折半しよう」というものでした。
　正直なところ、一体何通の返事が来るのかなという懸念もありました。立場が逆だったら、20年間会ったこともない人達からの葉書に返事が書けるだろうか、不審を感じたりしないだろうか。返事がこなくても不思議ではないとも思えました。唯一の対策は、発起人を増やす事でした。「校舎惜別の会」で会った人たちは、快く引き受けてくれました。
　こうして最初の往復はがきを出すことになったのです。